Monday, August 5, 2013

650project


プライマリーインナーカバーを加工してます。
これ、超目が回りますよ。

 現状のボアを拡大してから、ジュラルミン7075の丸板を
圧入しました。この丸板は、リアホイールのドラムオフセット用で
作ったけど使わなくなったあまりものです。

なんでもかんでも7075にしたいのではなく、
数年前、7075の板を大量に買ってしまい、腐る前にはやく消化したいのです。


 リングを圧入したら、再度丸板を削り込んでサイズ調整しました。
内径はクランクケースボスギリギリでほぼクリアランス無しです。


最後に、裏側のクランクケースとの接地面をすべてすり合わせして終了。
ここも凹んでいる面は、ぎりぎり面が出るくらいで良しとしました。



オルタネーター装着準備完了です。

なぜこの一連の加工をしたかというと、
ステーターを装着しただけで、微調整無しで
マグネットと適正なクリアランスになるようにしたかったのです。
インナーカバーがクランクケースに対して不安定な状態で取り付けされれば
ステーターもマグネットに対して不安定な状態で取り付けされる事になります。
カバーとクランクケースにクリアランスがあると、プライマリカバーが下に下がり、
ステーターもマグネットに対して下に下がるので、マグネットとステーターの
上側のクリアランスが非常に狭くなる可能性があります。

今回使用するのは、57年までのビッグベアリングケースなので、
60年代別体のケースとは鋳型が違う為、
確認の意味も込めて再度加工し直しました。

本当は、アルミの丸板からオルタネーターマウントプレートを
製作しようと思っていましたが、買うのも勿体ないし、わりとよく見るカスタムなので、
ここはDUPLEX FRAMEモデルのプライマリーケースを使ってしまおうと考えました。

実は、このプライマリーケースは、東日本大震災の時に、アメリカに住むジェリーという
ナイスガイが、当時の日本の状況をとても心配してくれており、お前も元気を出せ!と、
彼の手持ちのトライアンフの部品を何点か譲ってくれたのが所持している由来です。
やっと使用することができました。ジェリーありがとう。

ところで、このオルタネーターまわりのボルト、スタッドボルト類が結構マニアックなのです。
ほとんど使われないウィットワースの規格、BSFが登場してしまいます。
ちなみにH380のハンドルクランプにもBSFは使われてます。
こここら辺のボルトのねじピッチが22山という事で、この年代のトライアンフの中では
かなり特殊な部類じゃないでしょうか。

インナーカバーを止めるボルトが 1/4-20BSW
ステーターリングをカバーに固定するボルト 5/16-22BSF
ステーターリングを固定するボルトの頭は 2BA
ステーター固定用スタッドボルトのリング側 5/16-22BSF
ステーター固定用スタッドボルトのステーたー固定側 5/16-26BSC

ここを構成するボルト達には4種類のウィットワースねじが使われている事になります。


というわけで、ようやくフレームに乗せる準備ができました。
あと少しでスタート地点に戻る事ができます!

 

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