Saturday, October 10, 2020

インド16

 Motorcycle makes a man

という言葉がある。

人それぞれとらえ方は微妙に違うかもしれないけど、

だいたいみんなが思ってる感じの意味かなと思う。

しかし、最近それは違うんじゃないかと思い始めた。

 

究極的には、

Indian Lambretta makes a man

が正しいのではないかと。

 

それではインドを再開したので少しずつアップしていこうかなと思います。

 

三年前のこの記事(インド7) を覚えているだろうか。

ヘッドセットの中に、見たことも無い虫がいたため、

それ以来3年もの間手を付けずにいたんだけど、

さすがにやらないとまずいと思い、眼鏡をはずして見えない状態で掃除をすることにした。

 

とりあえずグリップにグリップをするという発想に脱帽。

 

鍵が取れない!
 
中身をドリルでぶっ壊してもシリンダーが取れず。
特大マイナスドライバーを突っ込んで無理やり回して取り外す。

 

長い間ご苦労さまでした。
 

全ての部品を取り外して、

虫を直視しないように暗闇の中で掃除してやっときれいになり

オレも虫を恐れず立ち向かう事ができるなんて男になったなと思っていた所、

 

クラック入っててショック・・・。

鋳物なので上手く溶接できそうもないし、

なんとなく溶接がうまくできたとしても、

あとからハンドル折れても嫌だなとも思うし、非常に悩む。

 

部品交換したらオリジナルペイントではなくなってしまうし、

そもそもイタリアンテーパーの下側のヘッドセットの入手もなかなか難しい。

いっそのことインドテーパーの新品ヘッドセットに全部変えるって手も

あるけど、 せっかくのアーリーインド仕様の特徴が変わってしまう事になる。

悩みはつきない。

 

エンジンも全バラにして各部チェックしたんだけど、

クラックだらけでとても使う気にもならない。

しかし初期型のケースを使わないのももったいないが、

クラックを溶接しても強度が期待できないのとそこまでして使うほどの価値を見出せない。


いっそのこと新品のケースを買ったほうが良いんじゃないかと思ったけど、

使えるかどうかわからない新品インドSILケース に金を出す気にもならない。

不良品つかまされるかもしれないし、そもそもが不良品かもしれないわけで。

 

他のメーカーのケースもあるけど、全体的に値段が高いので、

このゴミのようなインドランブレッタにそこまで金をつぎ込むほどの価値があるのか?

と日々自問自答を繰り返し、悶々と過ごしている。 

 

レストア途中、修理途中のインドランブレッタが売られているのを

何回か見たことがあって、なんでここまでやっときながら

やめて売ってしまうんだ?と当時は思っていた。今はなんとなく気持ちが分かる。

 

自分のインドの場合、

インド本土で使われていたせいもあり、ほぼ全滅だった。

 主要な部品全部使えない。

 

唯一何もしないで使えそうだったのが、ギアボックスと

クラッチハウジングとドライブスプロケット、ヘッドセット上側くらいかな。

 

全て売ってしまおうかと散々悩む。

でもせっかくわざわざリスクを冒してインド本土から輸入したし、

インド人に嘘をつかれて通関も散々苦労したし、

でも佐瀬さんに通関お願いして一緒に行って道間違えて時間ギリギリだし、

こへさんとこで大人四人がかりで軽トラから鉄箱を下したし、

 

これらの色々な思い出を、

売ってしまうという行為で無駄にしてしまうのも切ないと思った。

 

とりあえずどうなるかは分からないけど、出来る限り進めてみようかなと思っている。

 

非常に絶妙なラインの価値を持つインドランブレッタだけに、

しかも、外装はオリジナルペイントのまま塗らずにボロいまま仕上げようと思っているので

部品の選定から修理の仕方まで、かなり考えさせられる。

ぶっちゃけ塗装して綺麗に仕上げるほうがある意味簡単なんじゃないかって思ってしまう。

 

やはり、この地獄のように混沌とした本土仕様インドランブレッタを、

塗装せず仕上げて乗りこなしてこそ真の男になれるのではないかと思っている。


いや、地獄を見たことがあるわけでもないので、

もしかしたら地獄という場所は秩序が保たれた理路整然とした清潔な場所かもしれないので

「地獄のように」は撤回する。

 

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